ごみ収集ドライバーの仕事はきつい?仕事内容・給料・必要な免許まで徹底解説

ごみ収集ドライバーの仕事はきつい?仕事内容・給料・必要な免許まで徹底解説 ドライバー

私たちの生活に欠かせないごみ収集。その最前線で活躍するのが「ごみ収集ドライバー」です。安定した仕事のイメージがある一方で、「きつい」「大変そう」といった声も聞かれます。

この記事では、ごみ収集ドライバーの具体的な仕事内容や一日の流れ、「きつい」と言われる理由とそのやりがい、そして多くの人が気になる給料や公務員と民間企業の働き方の違いについて詳しく解説します。

ごみ収集ドライバーの仕事内容

ごみ収集ドライバーの仕事内容

ごみ収集ドライバーの主な役割は、家庭や事業所から出るごみを収集し、決められた処理施設まで運搬することです。単にトラックを運転するだけでなく、収集作業も行うため、ドライバーと作業員を兼務することが一般的です。

業務内容は、収集するごみの種類によって大きく二つに分けられます。一つは、一般家庭から出る可燃ごみや不燃ごみ、資源ごみなどを回収する一般廃棄物の収集運搬です。この場合、決められた担当エリアのルートを巡回して作業を進めることが多くなります。

もう一つは、工場や建設現場、医療機関といった事業所から排出される産業廃棄物の収集運搬です。これには金属くずやがれき、化学系の廃棄物などが含まれ、取り扱いには専門的な知識や専用の収集車が必要になることもあります。

ごみ収集ドライバーの仕事が「きつい」と言われる理由

ごみ収集ドライバーの仕事が「きつい」と言われる理由

ごみ収集ドライバーの仕事には、世間でイメージされるように「きつい」と感じられる側面もあります。その理由を具体的に知ることで、自分に合っている仕事かどうかを判断する材料になるかもしれません。

体力的な負担

ごみ収集の仕事は、運転だけでなく収集作業も伴うため、相応の体力が必要です。

ごみ袋は一つひとつが重い場合があり、とくに粗大ごみや事業系のごみはかなりの重量になります。それらを何度も持ち上げて収集車に積み込む作業は、足腰に大きな負担がかかります。

天候に左右される過酷な労働環境

ごみ収集は、市民の生活を支える重要な社会インフラであるため、天候に関わらず毎日行われます。

真夏の炎天下や真冬の厳しい寒さの中での作業は、体力を大きく消耗します。大雨や雪、台風の日でも、安全を確保しながら作業を遂行しなければなりません。また、濡れたごみは重さを増し、作業の負担はさらに大きくなります。

臭いや汚れへの対応

ごみを扱う仕事である以上、臭いや汚れは避けて通れません。とくに夏場の生ごみは強い臭いを発します。作業中は常にその臭いに対応する必要があります。

ごみ袋から汚水が漏れたり、収集物が飛散したりすることもあります。作業後の手洗いやうがい、作業着の洗濯など、衛生管理を徹底することが重要です。

精神的なストレス

体力面だけでなく、精神的な負担を感じる場面もあります。

住宅街の狭い道や交通量の多い道路での運転には、常に細心の注意が求められます。歩行者や他の車両との接触事故を起こさないよう、高い安全意識が必要です。また、決められた時間内に担当エリアの収集を終えなければならないというプレッシャーがあります。

ごみ収集ドライバーの公務員と民間委託企業の違い

ごみ収集ドライバーの公務員と民間委託企業の違い

ごみ収集の仕事は、自治体が直接運営する「公務員」と、自治体から委託を受けた「民間企業」の職員が行う場合があります。どちらで働くかによって、雇用形態や給与、働き方などが大きく異なります。

雇用形態や給与・年収の違い

雇用形態とそれに伴う給与体系は、公務員と民間企業で大きな違いがあります。

項目公務員(技能労務職)民間委託企業(正社員)
雇用形態地方公務員正社員、契約社員など
給与体系自治体の給料表に基づき、勤続年数に応じて昇給企業規定による。歩合制などを採用している場合もある
平均年収550万円〜600万円程度300万円〜400万円台が中心
賞与・手当期末・勤勉手当(ボーナス)や各種手当が充実企業による差が大きい
福利厚生充実している傾向にある企業規模や方針によってさまざま

参考:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag ごみ収集作業員」

公務員の平均年収が高い背景には、長年勤務しているベテラン職員が多いことや、給与体系が安定していることが挙げられます。

一方、民間企業は未経験者も積極的に採用しており、年齢層が幅広いことが平均年収に影響しています。ただし、民間企業でも資格取得や実績次第で高収入を目指すことは可能です。

公務員として働くメリット・デメリット

公務員としてごみ収集の仕事に従事するメリットには、まず雇用の安定性が挙げられます。地方公務員法によって身分が保障されており、景気の動向に左右されにくいため、定年まで安心して働き続けることが可能です。また、給与や賞与が安定していることに加え、各種手当や休暇制度といった福利厚生が充実している点も大きな魅力です。さらに、公務員という立場は社会的な信用度が高いという利点もあります。

一方で、デメリットとしては、採用枠が限られており、筆記や面接などの公務員試験に合格する必要があるため、採用の難易度が高い傾向にある点が挙げられます。加えて、清掃部門内での異動だけでなく、時にはまったく異なる部署へ配置転換される可能性も考慮しなければなりません。

民間企業の正社員として働くメリット・デメリット

民間企業の正社員として働く場合は、公務員に比べて求人数が多く、転職しやすい点がメリットです。多くの企業では研修制度や資格取得支援制度が整っており、未経験からでも安心して挑戦しやすい環境が提供されている点もメリットです。

その反面、公務員と比較すると、企業の業績や自治体との契約状況によって雇用が左右される可能性があり、安定性の面では劣る場合があります。自治体からの委託契約は数年単位で見直されることがあるため、契約先が変更になるリスクもゼロではありません。

ごみ収集ドライバーに必要な免許・資格

ごみ収集ドライバーに必要な免許・資格

ごみ収集ドライバーとして働くためには、運転する車両に応じた運転免許が必須です。特別な国家資格は必要ありませんが、持っていると有利になる資格もあります。

必須となる運転免許の種類

ごみ収集車(パッカー車)の運転に必要な免許は、車両の大きさ(車両総重量)によって決まります。準中型免許、中型免許、大型免許のいずれかが必要です。

普通免許しか持っていない場合でも、応募可能な求人はあります。しかし、多くの収集車はMT(マニュアル)車であるため、AT限定免許の場合は限定解除が必要になることが多いでしょう。

あると有利な関連資格

必須ではありませんが、仕事の幅が広がり、採用や待遇面で有利になる資格もあります。

「フォークリフト運転技能者」は処理施設内での作業や、特定の廃棄物の積み下ろしで役立つ場合があります。「クレーン・デリック運転士」は、粗大ごみやコンテナ型の廃棄物を扱う際に、クレーン付きの車両を操作するために必要です。

資格取得支援制度の活用

未経験者を歓迎している企業の中には、入社後に準中型免許や中型免許の取得をサポートする「資格取得支援制度」を設けているところが多くあります。費用の一部または全額を会社が負担してくれるため、普通免許しか持っていない方でも、ごみ収集ドライバーを目指すことが可能です。

ごみ収集ドライバーに向いている人の特徴

ごみ収集ドライバーに向いている人の特徴

ごみ収集ドライバーは、誰にでもできる仕事というわけではありません。この仕事で活躍するためには、以下のような特徴を持つ人が向いていると言えます。

  • 体力に自信がある人
  • まじめにコツコツと仕事に取り組める人
  • チームワークを大切にできる人
  • 早起きが苦にならない人
  • 安全運転を徹底できる人

体力的な強さに加え、日々の業務を真摯に続ける誠実さ、そして仲間と協力する協調性が求められる仕事です。これらの特徴を併せ持つ人であれば、社会に貢献しているという実感を得ながら、安定したキャリアを築いていくことができるでしょう。

ごみ収集ドライバーの求人の探し方

ごみ収集ドライバーの求人の探し方

ごみ収集ドライバーの求人は、公務員を目指すか、民間企業を目指すかによって探し方が異なります。自分に合った働き方を見つけるために、複数の方法で情報を集めましょう。

各市町村の採用情報で探す

公務員のごみ収集ドライバー(技能労務職)を目指す場合、各市町村の公式ウェブサイトで採用情報を確認しましょう。募集は欠員が出た際などに不定期で行われることが多いため、希望する自治体のウェブサイトを定期的にチェックする必要があります。

採用には公務員試験が課されるため、事前の準備が重要です。

広報誌やハローワークで探す

地域に密着した求人情報を探すには、自治体が発行する広報誌や、お住まいの地域を管轄するハローワークの活用も有効です。これらの媒体では、公務員の臨時職員の募集や、地元の中小規模の民間企業からの求人情報が見つかることがあります。

大手転職サイトで探す

民間企業への転職を考えているのであれば、大手の転職サイトを利用するのが効率的です。サイトに登録後、「ごみ収集」や「廃棄物収集ドライバー」といったキーワードで検索することで、全国の多数の求人を一度に比較検討できます。

スカウト機能などを活用すれば、企業側からアプローチを受けることも可能です。

ドライバー専門の求人サイトで探す

より専門的な求人情報を得たい場合には、ドライバー職に特化した求人サイトが役立ちます。ごみ収集ドライバーをはじめとするさまざまな運転職の募集が掲載されており、必要な免許や勤務条件などで絞り込みやすいため、自分の希望に合った求人を見つけやすいでしょう。

サイトによっては、専門のコンサルタントから非公開求人の紹介やキャリア相談といったサポートを受けられる転職エージェントサービスを提供している場合もあります。

ごみ収集ドライバーは社会に貢献できる仕事

ごみ収集ドライバーの仕事は、体力的・精神的に「きつい」と感じる側面があるのは事実です。しかし、それを上回る大きなやりがいと魅力があります。自分たちの仕事が街の美化や公衆衛生の維持に直接つながっているという実感は、大きな誇りとなるでしょう。

また、ごみ収集ドライバーへの転職は、安定した収入と社会貢献の両立が叶う選択と言えます。もし、自分に合った企業を見つけられるか不安な場合や、キャリアについて専門的なアドバイスが欲しいと感じた際には、「N DRIVE」のようなドライバー専門の転職エージェントを活用するのも有効な手段です。

この記事を参考に、専門家のサポートも視野に入れながら、社会に貢献できる仕事への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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